第14回クレモナ・トリエンナーレへ

 

XIV Concorso Triennnale Internazionale di Liuteria Antonio Stradivari

  

今年2015年は、バイオリン製作の聖地と言われているクレモナ(イタリア)で3年に一度開催される国際的な弦楽器の製作コンクール、通称クレモナ・トリエンナーレの年です。

クレモナは、ミラノから電車で約1時間半のところにあり、この時期は街中の至るところにコンクールを知らせる看板があります。

          

    
    

Prova Acustica<最終音響審査>

 

審査は9月初め頃から非公開で進められ、弊社工房スタッフがクレモナに到着した9月20日には

厳選な審査により選ばれた作品による最終音響テストが行われていました。

一般公開で、誰でも審査の様子を見学する事が出来ます。

前回(3年前)はテアトロ・ポンキエッリというクレモナで歴史のある劇場を使っていたのですが、

今回は2年程前にオープンしたバイオリン博物館内のコンサートホールでした。

 ホールの入り口には建造時の様子が紹介されています。日本人の建築家も携わったそうです。

  

 

 ホール内のステージの中央には黒い仕切りがあります。

演奏者はその向こう側で楽器を弾くのでの審査員からはどの楽器を使っているかは見えません。

 

気になる審査方法ですが、

①まず、楽器だけで(ソロ演奏で)楽器を取り替えながら同じ曲を演奏します。

②一通り演奏したら、次にピアノと合わせてまた楽器を替えながら演奏します。

この時はソロ演奏とは違う曲です。

楽器を替えるときには例えばバイオリンAとアナウンスし、

誰の楽器かは判らないようになっています。

これをバイオリンの場合はもう一人の演奏者で同じことを繰り返します。

 

今回ビオラ、チェロ、コントラバスの審査では演奏者は一人でした。

審査に残ったのはバイオリン7本、ビオラ5本、チェロ6本、コントラバス3本です。

これら21本の楽器で同様な審査を繰り返します。

  

 

 

 朝から始め、最後のコントラバスが終わるころにはお昼の時間をとうに過ぎてしまう長丁場でしたが、最終審査は終了しました。

 結果発表まで数日ありますので、その間の滞在の様子はまた改めてご紹介します。

    

    

<受賞式と受賞作品でのコンサート>

    

 受賞式は前回同様テアトロ・ポンキエッリにて行われました。劇場前にはすでに人が集まっています。

 とても重厚な内装で、歴史を感じます。

   

 いよいよ始まりました。審査員の紹介があり、いよいよ結果発表です。

   

 呼ばれた方は前に出て賞を受け取ります。そして、授賞式のあとは受賞作品でのコンサートが行われました。演奏者は審査員を務めた方々で す。

 

 

 

 コンサート終了後、受賞者の周りには人が集まり、お祝いの気持ちを伝え、記念撮影等をしていました。

    

 受賞以外にも公開音響テストまで残ったファイナリストにも賞状がもらえます。今回日本人の方も残りました。

 受賞された皆さん、おめでとうございました。

 翌日の夕方からはバイオリン博物館の展示室で出品作品を実際に観る事が出来ます。

<参加作品の展示会>

 翌日24日の夕方から10月11日まで今回のコンクールに参加した作品を見ることができます。場所はバイオリン博物館に併設されているアンドレア・アマティ展示館です。向かって右側が展示館です。こちらは博物館の常設展示以外のイベントや特別展示に使われているようです。

 

 

まずは代表者のあいさつとテープカットです。

中に入ると参加者の顔写真があり、本人が来場した際は写真の下にサインが入る特権?もあります。

    

これだけ楽器が並んでいると壮観です。

      

             

受賞作品は上の階に展示されていました。受賞作品はこのようにガラスケースに入っています。

      

作品展示の初日は夕方からでしたので、すぐに閉館時間になってしまいました。

今回のコンクールには31の国と地域から334人が参加し、出品楽器の総数は445本でした。今回の受賞結果はコチラです。

 

以上、簡単ではありますが、今回のクレモナ・トリエンナーレへの出張レポートは以上です。

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