~第3回~ プロの仕事を見てみよう (バンドジャーナル2011年4月号より)

密着・修理工房!凹んだトランペットが直るまでの全工程お見せします!

金管楽器編
凹んだ楽器はこうして直す!
 
    
床に落としてしまってベルがぐにゃりと曲がってしまっ
たトランペット。こんなふうになってしまったら、もう元に
は戻らないのではないかと思いますよね? でも、プロの
手にかかれば、あっという間に元通りの形に戻すことがで
きるんです! 実際に、下倉楽器管楽器リペアセンターの
高橋賢仁さんに、このトランペットを直してもらいました。
お話=高橋賢仁さん(下倉楽器管楽器リペアセンター)
 
 
        
①-曲がったベルの縁を、木製のハン
マーで叩いて直す。平らなところで
歪みをチェックしながら何度も繰り
返して直していく
 
②-縁の部分は平らになった
 
 
③-次に、ローラー芯金でこすりな
がら、ベルの薄い部分の凹み
を直していく
 
 
④-カラス口と呼ばれる芯金にベルを
あてて、小さなハンマーで軽く叩
きながら凸凹を滑らかにしていく
 
 
⑤-③と④の工程を何度も
繰り返して、表面を滑らかにしていく
 
 
⑥-完成。凹んでいたことが分からないぐらかにしていく
い元通りの形に
 
 
高橋さんにうかがいました
「ここでは、吹奏楽で使うすべての楽器の修理や調整をおこなっています。スタッフは17人いて、それぞれ金管や木管などに分かれて担当しています。
 本番前に急に壊れてしまって、すぐに直してほしいというケースもけっこうあります。順番でいろいろなお客さんの楽器を直さなければいけませんが、できるだけご期待には応えようと思っているので、とにかくご相談していただきたいですね。
 修理の予算がどれくらいかかるか不安に思っている方もいらっしゃると思いますが、ホームページに修理価格表が載っているので、それを見ていただければ、だいたいの金額はお分かりいただけるかと思います。
あとは、直接電話していただいてもいいと思います。ただし、凹みに関しては、実際の楽器を見てみないと、どのぐらいの修理代がかかるかわかりませんが。
 凹み以外には、マウスピースが抜けなくなったとかベルカットのホルンのスクリューが回らなくなったという事例がよくあります。無理やり回そうとしてベルをグチャッと曲げてしまったなんていうこともあるので、トラブルが起きたらすぐに持ってきてください」
 
 
下倉楽器管楽器リペアセンター
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-2
Tel03-3293-8655(代)
 
雑誌「バンドジャーナル」2011年4月号より
 

ページの先頭へ