修理の豆知識「タンポ交換・調整」
皆さんは、木管楽器のタンポの接着剤に、何が使われているかご存知ですか? 木管楽器には欠かせない、トーンホールをふさぐためのタンポ。 その接着剤には、細かなタンポ調整を可能にする、少し特殊な接着剤が使われています。 こちらが、シェラックと呼ばれる、タンポの接着剤です。 実はこのシェラック、東南アジア、南アジアに生息するラックカイガラムシの分泌液を精製して作られているんです。 今はスティック状をして固まっていますが、これは熱で溶け、冷めると固まります。 また、種類によって融点が異なるため、楽器やメーカーによって使い分けています。 こちらはシェラックをタンポに塗っている所、溶けたシェラックは高温のため、扱いは十分に注意しなければなりません。 木管楽器のタンポを調整する時は、タンポにつけたシェラックをキイごと熱して溶かし、 タンポがトーンホールを上手く塞ぐように調整し、その位置で冷まして固定するのですが、これがとても集中力を要する作業です。 キイを熱する温度が低いと、タンポは動いてくれませんし、 逆に高いと、キイのラッカーが焦げる、ラックが柔らかくなりすぎて溢れる、タンポが痛むなどのアクシデントが起こってしまいます。 リペアマンは常に、火の加減に細心の注意を払い、その上でコンマ数ミリのズレを調整しているのです。 文字通り、手に汗握る作業です。 では、交換が必要なタンポとは、どのようなタンポでしょうか? ・破れているタンポ ・縮んでしまっているタンポ ・毛羽立ってしまっている(表面が荒れてしまっている)タンポ ・硬くなって調整ができなくなってしまったタンポ ・古くなって真ん中が膨らんでしまったタンポ 大まかには、以上のようなものになります。 皆さんの楽器のタンポは痛んでいませんか? 下倉楽器リペアセンターでは、タンポ交換・調整もいつでも承っています。 自分の楽器のタンポは大丈夫かな?と気になった方、 リペアセンターでは、楽器の点検も行っています! どうぞ、楽器と一緒にお立ち寄りください!! また、タンポ調整の詳しい料金などは、下記URLの修理料金表をご覧いただくか、お電話、店頭までお気軽にお問い合わせください。
http://www.shimokura-gakki.com/wind_instrument/rpr_price1.html
下倉楽器 リペアセンター 03-3293-8655