修理の豆知識 「ピストンフェルト」

トランペットやユーフォニアムなど、ピストンを使用した楽器に必ず付いている「ピストンフェルト」。
ピストンの異音を抑えるとともに、ピストンの高さを調整するためにも大変重要な役割を果たします。
果たして、どのように、またどれくらい使われているのでしょうか?

                                                     

ピストン楽器についているフェルト類(ピストンフェルト・笠フェルト)の役割は、大きく分けると2つあります。 
・ノイズ(雑音)を取る。
・穴位置を合わせる。

「ピストンのノイズ」とは、フェルトが薄くなったり、水分やオイルを吸ったときに「カチカチ」と金属が当たり合う音です。

この音がすると楽器を吹いている時に音の邪魔をしたり、吹奏感を悪くします。こうなるとフェルトの交換をしたほうがいいです。 
    
ピストンの中に入るのはフェルトだけではありません。

中にはコルクを使ったものや、パッド(スポンジ状のもの)などがあります。


 
 
 「笠」に入るものにはフェルトとゴムがあります。
中には笠に何も付いていなく、押金にフェルトやコルクが付いているものもあります。
フェルトには黒や緑、赤、茶色といった、多くの色があります。
また笠の材質を変更する事で、ピストンを押した感じや吹奏感が変化します。
 

「穴位置を合わせる」とは、ピストンの穴を抜差し管の穴の位置をぴったり合わせる事で、この穴があっていないと吹奏感に影響します。

息の流れがスムーズでなくなり、抵抗感を感じたり詰まったような感じがします。
楽器を吹いていて何かいつもと違うと感じたら、ピストンのフェルト、笠のフェルトを確認してみてください。 

 ・ピストンの穴のチェック方法。

   
トランペットの場合、第2抜差し管を抜いてピストンを押し、穴が合っているか見ることができます。
他の楽器の場合、第2抜差し管を抜いてもピストン内部が見えない状態の場合、リペアセンターにお持ち頂ければチェックさせていただきます。
       
  ・フェルトの交換時期。
フェルトの交換時期は、実際にご自身の楽器をご覧いただき、以下の内容に該当するようであれば交換が必要です。
    
・ピストンを動かしたときにノイズがする時。
・フェルトが汚れたり薄くなっている時。
・ピストンの穴と抜差し管の穴の位置がずれているとき。また、定期的にフェルトを交換するのも良いでしょう。
   
フェルトの役割は、楽器にとってとても重要です。
また、価格も決して高いものではないので、できる限りマメに交換してください。
下倉楽器リペアセンターでは、多くのメーカーの部品を用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

下倉楽器リペアセンター 田中
 

 

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